「確か、梨紗先輩も、高原くんのファンなんじゃ…」
私たち3人の顔が青ざめる。
「「う、そ…」」
私と美菜の声が重なる。
梨紗先輩っていうのは、愛内 梨紗(あいうち りせ)先輩のこと。
梨紗先輩は、クールビューティーという言葉がぴったりな美人さん。
光里姉と同い年で、高校3年生。梨紗先輩もモテモテ。
わ、私と梨紗先輩って……
「勝ち目ないって…!!」
思わず呟いてしまった。
「あ、明里…」
美菜が心配そうに顔を歪める。
「…ううん、頑張ろう…!」
私は首を横に振り、前を向く。
「実はまだ応募は完了してないんだ。だから、一緒にしよ!」
2人に声をかけると、2人はにこっと笑った。
「明里…っ、私応援するから!!」
と、美菜。
「明里だったら、梨紗先輩も吹っ飛ばせるよ!」
と、久留美。
鼻の穴を少し膨らませて、いつもと違い、気合いが入っている久留美。
「「ふふっ…」」
私と美菜は思わず笑ってしまった。
「なあにっ…?」
久留美は首を傾げている。
「ううん、なんでも。行こ!」
美菜は、朗らかに笑った。
3人の上履きが綺麗に揃って、前へ出た。

