「光里姉…?」

「ん?あ、あぁ。うん、行こ!」

光里姉は、走って改札まで行った。

うーん、光里姉おかしい…?

光里姉がどうしたのかすごく不思議だけど、
言いたくないことなのかもしれない。

とりあえず、色々探るのはやめとこう。

ー ー ー ー ー ー ー ー ー

「おっはよー!」

「ねえ、昨日の宿題やった?」

「やべー、やってねえ!」

賑やかな昇降口。

私は人の山を通り抜け、自分の下駄箱へ向かう。

下駄箱を開け、上履きを持つと、後ろから声をかけられた。

「明里っ!おはよ〜」

「おはぁ」

2人は、さっき紹介した美菜と久留美。

美菜は、スポーツ万能で、男子にも女子にもたくさん友達がいる。

久留美は、めちゃくちゃ女子力が高いの。

光里姉みたいな、ゆるふわな感じ。

男子にモテモテなの。

2人とも、自慢の親友なんだ。

「おーはよっ」

私は笑顔であいさつを返した。

「ねえ。明里…」

美菜が声をひそめる。

「今日、ニュースでやってたけど、高原くんが出る映画のヒロインに応募すんの?」

私は、にっこりと笑って、美菜と同じように声をひそめて、

「もちろんだよ」

と、言った。

「そうなんだぁ〜」

久留美は、ふわっと笑った。

でも、険しい表情に一変し、「あ」と呟いた。