僕も明里さんと………、って欲張りすぎる。

再会できただけで、幸せなのに。

恋って、こういうものなのかなぁ…。

「陽介さん、実はね、明里は、陽介さんが今度出る映画のヒロイン役に応募しているんですよ」

優香里さんは、笑った。

「え……?」

そう、なの?

それだけ、僕のこと好きでいてくれているのかな…。

勘違いにも程があるかもしれないけど。

「応援してあげてください…!」

優香里さんが言う。

「はい!」

応援するに決まってる。

だって、僕の大好きな人だから。

「あ、俺そろそろ撮影があります」

将星が時計を見ながら言った。

僕もそろそろだ。

「そうですか。では、ダブルデートの詳細は、以後お伝えしますね」

来週の土曜日か……。

楽しみすぎるっ……。

僕はただ胸を躍らせていた。



「おじゃましましたー」

優香里さんの家を出た。

「ねえ、将星。」

「ん?」

僕は大きく息を吸った。

「前、話した、"あの子"いるじゃん。」

「うん」

将星だけには、話していた。

「明里さんが"あの子"だった」

「うん…………って、え?」

将星はものすごく驚いた顔をした。

「それでね、僕、明里さんのこと、やっぱり好きなんだ」

自分で言っておいて、恥ずかしくなり、顔が熱くなる。

「そっかー…!俺は応援するからな!」

将星は、にこっと笑った。

「うん!ありがとう!」