眼鏡をかけているけど、将星っぽさはあまり隠れていない。

「なんか蒲田くんに、似ているような………」

光里さんが、ぼそっとなにかを呟いた。

「はい…?」

将星が聞く。

「い、いえ…!では、私は失礼します!ごゆっくり!」

光里さんは、また頭を下げると2階へ戻っていった。

「どうでしたか?光里は」

優香里さんが将星に聞いた。

「あ、あの…、俺、あの人……光里さんとデートしたいです!」

少し大きい声で言った将星。

「ちょ、光里さんに聞こえたらどうするんだよ……!」

僕は注意した。

「あ、そうだった…」

将星は、恥ずかしそうに身を縮めた。

「じゃあ、陽介さん、明里を呼びますね」

「は、はい……!」

明里さんって、どんな人なんだろう……。

「明里〜、ちょっと来て〜」

明里さんも、光里さんのようにすぐに2階から降りてきた。

「はーい」

ん………?

この声、聞いたことあるような。

思い出せない。

明里さんが現れた。

その姿を見た瞬間、僕の心臓は止まってしまったような気がする。

____紛れもなく、明里さんは"あの子"だった。

『大丈夫?』

『ふっ、いいんだよ。でも、あんたも言い返しなさいよ。あんな奴らなんて、ぶっ飛ばしちゃえ〜』

あの時の記憶と全てが重なった。