めんどくさいなぁ、と思い、美樹をソファーに運んだ。

「おやすみ、もう寝な」

僕が声をかけた時には、もう美樹は寝ていた。

「はぁー………」

仕事が終わった時くらい疲れた。

僕はまだ高校生だもんなぁ。

あ、そうだ。将星に電話しないと。

『プルルルル…』

《もしもし〜?》

「もしもし、将星。」

《おつかれ》

そう言う将星の声も疲れているような気がする。

将星も、僕と同い年だ。

「で、大事な話ってのは、何?」

《あのな、陽介。》

将星の真剣な声。

僕も真剣に耳を傾ける。

《来週の土曜日___》

ー ー ー ー ー ー ー ー ー

「いらっしゃい」

次の日。

僕と将星は、ある家に変装して、おじゃましていた。

『peach』のトップモデルの優香里さんの家だ。

昨日の電話で、将星から聞いたことをまとめると、こうだ。

まず、優香里さんの妹の光里さんが、将星と会ってみたい、といつも呟いていたらしい。

そして、それをいつも聞いていた優香里さんは、光里さんのために、将星に、「光里と一度デートをしてほしい」と頼んだらしい。

将星は、一度優香里さんから話を聞くことになり、今に至る。

そして、僕はというと…。

優香里さんと光里さんの妹、三姉妹の末っ子の明里さんが僕のファンらしい。