女の子で思い出した。

そういえば、"あの子"は、今頃どうしているんだろう___。

ー ー ー ー ー ー ー ー ー

「へっ、陽介のばーか」

あれは幼稚園生だっけ。

それか、小学1年生の時。

気が弱くて、病弱だった僕は、男子たちからからかわれていたというか、意地悪をされていた。

嫌でも反抗できないから、周りはみんな楽しんでいた。

ある日、いつも僕に意地悪をしてくる2、3人の男子グループが俺を囲んで、ばーか、と言ってくるという意地悪を受けていた。

幼稚すぎて、今なら笑ってしまう。

だが、あの頃の僕には、相当なダメージだった。

囲まれているので、周りに助けも呼べず、ただ我慢していた。

そして、泣き出しそうになった時だった。

芯のある声が響いた。


「あんたたち、何してんの?」

僕と同い年、と見られる女の子。

腕を組んで、僕たちを見下ろしていた。

「お前もやるか?こいつの反応おもしれーよ!」

リーダー格の男子が言った言葉に、彼女はこう反応した。

「はぁ?あんたたちみたいな、弱いものいじめなんてしないわよ。あんたたちみたいにダサい人にはなりたくないからねえ。」

僕は、とにかくかっこいいと思った。

強く尊敬した。

「なっ、うるせえ!行くぞ!」

リーダー格の男子は恥ずかしさで顔を真っ赤にして、逃げていった。