無理無理無理っ………!

これこそ、"ハードルがエベレスト級"だよ…!

私は1人の屋上で思い切り頭(かぶり)をふった。

まず、私なんかが高原くんにお近づきになっていいのでしょうか……!

映画で共演する…ならまだしも……、

デートですよ?

「どういうこと………」

いきなりの展開で放心状態だった。

__ガチャ

「明里ー…、いるー?」

「あ、いたいた!明里!」

久留美と美菜だっ…。

「さっき、光里姉から『明里は屋上にいるよ』って意味深な笑顔で言われたんだけど、なんかあった?」

美菜が首を傾げる。

光里姉、何がしたいのっ………!?

「あ、あのね、2人とも。落ち着いて聞いてね?」

なんだか、そわそわしてしまう。

だから、光里姉も、"ダブルデート"の件を伝える時、そわそわしてたんだなぁ、と思った。



「__ということらしくて。」

私はさっき光里姉に言われたことを、2人に一通り説明した。

数秒の沈黙が流れた後………。

「「え、えええええええ!?」」

「そうなりますよねー……」

想定通りの反応に私は苦笑した。

美菜は、目をキラキラさせている。

「えー、いいなぁっ…!」

「私だって信じられないよ…!」

久留美は、興奮した様子だが、何かを考えている。

「そんなイケメン2人が普通に出歩くのは、危険だよね」

そうだった……。