「あら、明里。6時半に起きるなんて珍しいわね」

「うん、すごいでしょー」


洗面所で、顔を洗った後、リビングへ向かうとお母さんにそう言われた。


椅子に座り、ついているテレビをぼんやり眺めていた。

高原くんのニュースやんないかなぁ…。


そんなことを思いつつ、私はあくびをした。

『次のニュースです。若手人気俳優の高原陽介さんが出演する映画___』

「たっ、高原くん!?」

私は机をバンっと叩き、立ち上がった。


「も、もう…明里。何よ〜…」

お母さんは目を丸くして驚いている。

高原くんの映画…見ないと…!

いつやるのかなぁ…。

映画の詳細を知るため、椅子に座り直し、テレビを見つめる。

『そして、この映画の監督は清野さんです。清野さんは、ヒロインを一般の女性から選ぶと有名な方でして、今回も一般の女性から選ぶそうです。こちらが詳細になります。』

アナウンサーの方は、テレビの右下を指さした。


自分にも可能性はあるかも…と、テレビの右下を見る。

えーっと…。


「横浜市に住む高校生(女性に限る)………っえ?」


一瞬時が止まった気がする。

条件に、当てはまってる…?