優香里姉も、光里姉も優しいなぁっ……!

「あら、優香里姉、いつもと違って素直ですこと」

光里姉がからかうように言う。

「なっ………!」

優香里姉は顔を真っ赤にして、部屋を出て行ってしまった。

「あっ……」

出て行っちゃった…。

「ふふっ、優香里姉ったら、可愛いのね〜」

光里姉は、くすくす笑っている。

「ひ、光里姉…」

私は呆れてしまう。

でも、なんだか楽しかった。

「次は二次審査かっ………」

私は拳を握りしめる。

合格して、ヒロインになれますように。

私は胸の中でそう願う。

【美菜:受かってたか!?】

【明里:うん!!(^-^)v】

【美菜:おめでと〜!ヽ(´▽`)/】

思わず頬が緩んでしまう。

色んな人の優しさに触れられて、幸せだなっ…!

【陸都:だりー】

あっ…、陸都からだ。

陸都っていうのは、幼馴染の早川陸都(はやかわりくと)のこと。

お母さん同士が仲が良かったらしい。

陸都には、ヒロインに応募したことは秘密。

【明里:課題終わったー?】

陸都は、おっちょこちょいで、忘れん坊。

先生に「明里が陸都を世話してね」と、言われてしまったの……。