「えっ!」

私は驚く。

「ちょっと、こっちにきて…?」

高原くんは、私を手招きし、人気の少ないところへ導く。

「練習、してみる……?」

高原くんは、白く透き通った頬を赤く染める。

「……うん」

私は、頷いてにっこりと笑う。

そしてっ…………!

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜

「おーい、瞳田さん?」

「はっ、はい!」

ガタン、と音を立てて立ち上がる。

「今の話、聞いてたかしら?」

担任の美濃先生が首を傾げる。

美濃先生は、美人だから、首を傾げるのまで美しい……じゃなくて!!

「き、聞いてません…」

私は、恥ずかしさと申し訳なさで、椅子に座った。

「じゃあ、説明するわね」

美濃先生は、にこっと笑う。

でも、心からの笑顔ではない……!

目が笑っていないようにも見えるっ……!

周りを見ると、みんなクスクス笑っている。

妄想モードに入るからだって…。

私は、恥ずかしさでいっぱいのまま、先生の話を聞いていたのだった。

ー ー ー ー ー ー ー ー ー

「も〜っ、明里ったら!」

ホームルームが終わり、理科室へ移動する時、久留美と美菜に笑われた。

「もしかして、高原くんと共演した時の妄想してたとか…?」

美菜は、「まさかそんなことはないよね〜っ」と言いながら、私を見る。