みんなは恋をしたことがある?

憧れの先輩?腐れ縁の幼馴染?イケメンな先生?モテモテな同級生?


私、瞳田明里は、芸能人に恋をした。

超人気の俳優さん、高原陽介くん。


テレビなどでは、『天然王子』と評され、

今は大人気。

あの演技力の高さがあるのに、私と同い年の高2。


届かない恋、叶わない恋だってことは、私は痛いほど分かってる。


でも、あの人が好きなんだ。


演技だったとしても、あの笑顔が好きだ。

トーク番組で、天然発言をかますあの天然さが、何とも愛おしい。


ただのファンなのか、恋なのか…。


未だに曖昧だけど、恋愛感情に近いものだと思っている。

いつか、高原くんと話せたりして…!


なーんちゃって。


私、妄想ばっかりなんだよなぁ…。

でも、本当に一度でいいから会ってみたいなぁ…!


「明里、まだ起きてるの?」

お母さんが私の部屋に入ってきた。

「ごめんなさいっ!今寝ます!!」

私は手元にあった高原くんの雑誌を置いて、
眠りについた。




ー ー ー ー ー ー ー ー ー


「うーん…」

カーテンの間から差し込む光の眩しさに、

私は目覚めた。


眠い目をこすり、時計を見る。

「まだ、6時半じゃん…!やった!」


私は、寝坊しがちだからこんな早起きするのは珍しい。

まあ、折角だし今日は早めに準備しよう。


私は、ベッドから降りて、一階へ向かった。