「ほら。出来た。早く運べよ。」 カップをあたしに渡しながらあらたが言う。 「はいはい。今、運びます~。」 せっつかれながら、リビングへカップを運んでテーブルへ置いた。 「ほれ。貰いもんだけど。」 あらたが取り出したのは、平べったい箱で。 「おー、旨そう。」 ふたを開けると、色とりどりのチョコレートが小さな仕切りごとにひと粒ずつ入っていた。 「わ。ホントだ。美味しそう。」 思わず声を上げたあたしに、 「そうだろ?」 なんて、得意顔を浮かべた。 .