ウソツキハート




「仕方ねーな。ほら。あんずにもつけてやるよ。」



あらたが香水びんのキャップを外す。



「…いや。いいよ。」



首を横に振って、断ったのだけれど。



「遠慮すんなって。はい。お裾分け。」



自分の手首に香水をワンプッシュしたあらたは、軽く手首を合わせてから、あたしの首筋をなぞった。



「いーニオイ。」



そうして、あたしの首筋に顔を埋めた。



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