あらたの香水が漂う部屋。 「…これ…」 「ん?」 香水びんを手にとって、後ろのあらたが見やすい位置まで持ち上げた。 「なんていう、香水?」 尋ねたあたしに、 「ブランシュ。白っていう意味なんだってよ。」 白…。 あぁ…。冷たく澄んだ、甘い白…。 あらたにぴったりだ…。 思うのに、 「は…?あらたは黒でしょう?白じゃないよー。」 なんて、可愛くない言葉があたしの口から零れ出す。 .