シャワーから戻ってきた、あらた。 ソファーに寝ころんでいたあたしを、のぞき込んだ。 前髪から滴が伝って、あたしの頬を濡らしていく。 「泣いてる、みたいだな。」 ぽつりと囁かれたあらたの言葉。 「……う、」 その言葉に反応するように、涙が零れた。 「泣くこと、ないじゃん?」 あたしの目元にくちびるを寄せて、涙を吸い取った。 あぁ…本当に、どうして…? .