当然のように、あたしの両手を両耳から引っ剥がして。 「俺の声が、聞こえなくなんだろ?」 耳元で囁いた、あらた。 あぁ。そうなのだ。この男は。 あたしの『恥ずかしい』なんて感情は、どうだっていいのだ。 いつも大切なのは、自分のことだけ… 「声、出せよ…塞いどいて、やるから。」 おもむろに、あたしのくちびるを自分のくちびるで塞ぐ。 荒々しいキスや指先の熱に、ただただ翻弄されて…。 .