くちびるや、髪の毛。体の至るところに残るのは、あらたのぬくもり。 ため息をひとつ、ついて。 軽く頭を振れば、 「…あ…」 香ったのは、あらたの香水。 髪の毛か首筋か、はたまた肌の上からなのか。 こんなふうに、確実に痕跡を残すなんて。 ズルい。 あらたはとても。 .