久しぶりに乗った、あらたの車。 彼女として、助手席に座る日がくるなんて。 穏やかに流れる、車内の空気。 低く流れている洋楽は、時々あらたが口ずさんでいる曲だ。 こうしてこれからも、少しずつ新しいあらたを知れる喜びは、何にも代え難い。 その横顔を盗み見れば。 「なぁーに、見てんだよ?」 あたしの方に顔を向けたあらたは、不意打ちのキスをくれた。 .