「じゃあほら。呼んでみろ。俺のこと。」 あたしの目をのぞき込む。 「…あら…た…」 小さな声で呼び掛ければ。 「もっと。もっと、呼べ。」 「あらた…。」 その瞬間。少し目を細めた。ほんの少しだけ、柔らかな表情を浮かべたのは、あらたで。 「goodgirl」 流れるような発音であたしに囁いた。 「いい子だ。」なんて…。 そうして優しいキスをひとつ、落とした。 墜ちる。 あたしはたぶん。 いや、絶対。 悪魔のような目をした、この男に…。 .