あらたの声、体温、優しさ。 それがすぐ、隣にあることへの、素直なあたしの感情。 「あんず。俺さー、すっげー最低な男だったんだよ。何もかもが中途ハンパで。自分以外の誰かの感情なんて考えてもいなかった。」 ぽつりぽつりと話し出したあらたは、真っ直ぐにあたしを見つめてくれている。 「俺、絵描きの端くれで。でも絵だけじゃ到底食っていけなくて。女に依存するヒモみたいな生活をずっとしてて。」 死ぬほど格好ワリーよな。つぶやいた口元は、自嘲気味に歪んでいる。 .