「…え…、」 流れた空気と共に香ったのは、冷たく澄んだ甘い香水。 『白』と名付けられた、あたしの大好きな香り。 振り返らなくても、あたしはその人を知っている…。 「なーんで、逃げんの?」 懐かしく感じるほど、切なく感じるほど、聞きたくて聞きたくて、仕方がなかった声。 振り返るのが、もったいない。 こんなに嬉しい気持ちになれるのなら…。 「…あらた…」 .