いつの間にか、あらたに手を引かれて歩き出していた。 後ろからは、小さな女の子のきゃっきゃっ。と笑う微笑ましい声がしている。 彼の横には、ふんわり微笑むキレイな女の人。 声しか聞いたことがなかったけれど、あんなにキレイな人だったんだ。 彼とお似合いだ。とても。 混乱する頭で、必死に思考を整理する。 そして、その時後ろから聞こえた声に、フリーズした。 「せっかくだから、座らせて貰えよ。―――――――あんず。」 .