…もう。いい加減帰って欲しい。
親切にしてやったんだから、コーヒーくらい出せ。と請われて出したコーヒー。
カップの中はとっくに空だ。
男は空のコーヒーカップを弄ぶように右手へ左手へ握り替えている。
いや、出しませんよ?おかわりなんて。
強い決意の元、知らんぷりを決め込むあたし。
「…あのー、そろそろ帰りません…か?」
窺うように切り出せば。
「いー、マンションだな。あんたバイト暮らしだろ?自分で買ったの?」
テーブルにひじを突く男。
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