「…お前の、そういうとこ。可愛すぎて冷静じゃいらんねーんだよ。」 襲いたくなんだろ、馬鹿。 小さな声で付け足して。 「…そういうとこって、どういう…?」 あたしはいつも、シアワセが逃げてしまうことが怖い。 いつかあらたとの時間も終わってしまうだろうから。 だからできるだけ、今この瞬間を覚えていたい。 あらたの声や仕草やあたしに向けられた感情。 どんな小さなことでも見逃すまいと、あたしの方が必死なのに。 .