あたしだけが知っているあらたは、一体どれくらいあるんだろう。 「あんず。どうした?」 唐突なあらたの声に、ふっと我に返る。 「ん?ごめん、考え事。冷めないうちに、食べよ?」 そんな弱気な考えを振り払うようにあらたに笑いかけた。 笑おう。出来るだけ。あらたの前では。 「あんず。」 たった一言、あたしを呼んでおもむろに立ち上がったあらたは、あたしの隣に腰掛けた。 「あらた…?」 座っても頭ひとつぶん以上は違う、あたしとあらた。 .