あたしの目に自分の目線を合わせたあらた。 「…どこにも、行くな。」 ちいさな声で呟いて、あたしの前髪を指で払って、おでこにくちづけた。 「……、」 そんなあらたの姿も初めてで、戸惑いと嬉しさが込み上げる。 「なに、赤くなってんだよ。がらでもねー。」 あたしの両頬を片手で掴んだ。 「なっ!赤くなってなんかっ…!」 言いかけたあたしのくちびるを遮って、押しつけられたあらたの、くちびる。 穏やかな温度に、あたしの気持ちは素直になる。 .