とにかく、来た道を戻ってみようと、振り返れば。 「――きゃ!!」 真後ろに男が立っていた。 「あんた、そんなかわいー声も出せんのな?もしかして、探してんの、これ?」 見覚えがある、キーホルダーの束をじゃらじゃらと振っているのは、ガードレールにもたれていた男だった。 えっ、どうしてここに?とか、なんであたしのキーホルダーを?とか、疑問が頭の中で渦を巻いている。 .