明かりが落とされた部屋。



シーツを掴む手のひら。



その手のひらに絡みつく、数段大きな手のひら。



「…あんず。シーツじゃなくて、俺の手、掴め。」



冷静な声。



すべてに従いざるおえない、命令。



はぁはぁ、と、息があがっているのはあたしだけ。



余裕の笑みさえ浮かべて、あたしを見下ろす綺麗な男。



熱い舌や、繊細な指先をただただ為すすべもなく、体で受け入れる。



認めざるおえないことは、それがもう、快楽の為だけの行為ではなくなった、こと。



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