「あらた、この『a』って、あんずの『a』でしょう?」 あらたってば、あたしのこと好きなんだねぇ? なんて、照れ隠しのつもりでチャームを指差しながらあらたに言えば。 「なに、言ってんだよ。この場合はあらたの『a』だろ。」 あんずは自意識過剰だな。 からかい返す、あらた。 「俺のこと、それ見ていつも思い出せ。俺から、逃げんなよ?」 あたしを覗き込みながら、そんな風に言うあらた。 .