「あんず。」 頭上から降ってくるあらたの声は、いつもに増して柔らかい。 「あんず。顔、上げろ。俺を、見ろ。」 一言ずつ区切られた、言葉。 抗い難い命令はしかし、トゲがない。 少しずつ、顔を上げてあらたと目を合わせれば。 くちびるの端をあげて、笑って見せたあらた。 「あんず。見せつけてやろーぜ。証明、してやる。」 はっきりとした発音であたしに告げて、そのまま、あたしの耳元に口元を寄せた。 そうして囁かれた言葉に、固まった。 .