それは去年の春、一目惚れをして買った細かいレースがたっぷりの白いワンピースで。 一目惚れをして買ったのはいいけれど、フワフワと揺れる裾とレースが甘くて、なんだか躊躇して結局まだ、一度も着ていない。 「…え。でもなんか、女の子っぽすぎるから…」 言葉を濁したあたしには、 柔らかなキスと、 「なに言ってんだよ。女の子、だろ。あんずは。」 なんて、あらたの優しい言葉が待っていた。 .