「おう。絵の具、だな。」 自分の首元をさすりながら言うあらた。 「てか、なんでこんなとこに絵の具?」 不思議に思って問いかければ。 「んー?なんでだろう、な?」 少し首を傾げて見せた。 突っ込んで聞いたところでまた、上手くはぐらかされるんだろう。 小さくため息をついたら。 「シアワセ、逃げんぞ。飲み込め。」 あたしの顎をおもむろに掴んだあらた。 .