「ってか、あらた。昨夜帰らなかったっけ?」
とりあえず。と淹れたコーヒーを手渡しながら尋ねれば。
「あ?帰ったよ。でも急に会いたくなったんだよ。あんずに。」
早朝のせいか気怠げに話すあらた。
気のせいか、若干舌っ足らずな気がする。
「…会いたくなったんだよ。」
繰り返す様は、まるで小さな子どものようで。
「…あたしだって…」
なんて呟きは、辛うじてあらたまで届いたようで。
「そ?さんきゅー。」
マグカップをテーブルに置いて、あたしの横に座ったあらたは、肩を抱き寄せてくれた。
.
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…