発作でさえも、

「カーテン、やっぱりそんままでいいよ」


言葉足らずに吐き出されて一瞬戸惑った。だけど少ししてそう言えばいつも私の家に泊まったとき、朝里くんの方が起きるの遅いけど今日は逆だったなってふいに気づいて。


もし私と同じことを考えたのだとしたらいいな。そうだと嬉しいなと思う。


だから、淡い期待を持って気づけば口にしていた。


「ねえ、結局なんで来てくれたの?」


私と同じように、会いたいと思ってくれてたらいい。

些細なことで思い出してほしいと思うし、会いたくて堪らなくなってほしい。

なんて、いつも余裕ありげな朝里くんはそんなことないだろうけど。



朝里くんは未だに眠そうな目で真夜中を思い出すように、淡々と話し始める。



「昨日、虫退治したとき虫が嫌いな瑞果を思い出して」

――――些細なことで君を思い出して、



「思い出したら無意識にLINEしてて、」

――――そして会いたくて堪らなくなって、



「もう寝てるかと思ったのに既読早いから焦って変な嘘吐いてた。もう虫はいなかったのに」

――――でも素直には言葉にできなくて、


本当はそのまま、何もないはずだった。


「だけど途中で気づいたんだよ。瑞果のことだから何かあっても素直に言葉にできなくて、ずっとトーク画面を開いたまま考えてたから既読が一瞬でついたんじゃないかって」


だから来た。後先考えずに。



紡がれた言葉さえも、陽の光を浴びて煌めきを纏っているようだった。

スパンコールは降り止まない。きらきら、きらきらと。


どうしたって私は朝里くんが好きで堪らないなぁと。私を見て柔らかく微笑む顔を見て思うのだ。