お姉ちゃんは私の話をずっと、黙って聞いていた。


私が話終わり、黙っていると、しばらくしてからお姉ちゃんの方から「…分かった」という、低い声が聞こえて…。



「……お姉ちゃん?」

「もしかして、一緒にお母さんと出かけなかったのも、それのせい?迷惑かけちゃいけないって思って出かけなかったの?」

「……」

「…うん、分かった」

「…あ、あの、お姉ちゃん、お願い、嫌わないで…」

「…そうだったんだね」

「ごめんなさい…、私、本当はずっと黙っておこうと思ってて…、お姉ちゃんに嫌われたくなかったのっ」

「…そっかそっか」

「聖くんと仲が悪い晃貴と付き合って…、お姉ちゃんに嫌われるのは分かってるの。でも、やっぱり…好きで……」

「とりあえず真希」

「本当に、ごめんなさ…」

「一発殴らせて」



────え?



私はその言葉を発することが出来たのか。

そんなことを考えるよりも、頬に衝撃が走った。




お姉ちゃんに平手で叩かれたって理解するのに数秒かかり…




「今から全員、叩き起すよ」



ジワジワと痛みが酷くなる頬。


茫然としている私の視界では、お姉ちゃんがスマホを手に取っていた。