「…好き、です」

短く区切った、主語がないそんな私の告白は、

前後左右、きょろきょろと見渡している、律さんに吸い込まれる。

時々、私を見つめるのは、確信犯のしわざで。

私は私を大事にする。

誰かの言葉や仕草や感情にとらわれずに。

まずは、自分自身を大事にする。

「律さんが、好きです」

やっと出た、私の告白に。

「両想い、だったんですね?あ、でも、確実なことが1つだけ、あります」

右手の人差し指を立てて見せたのは、あの日のデジャヴ。

その人差し指を見つめていたら、

「確実に、絶対に、オレの方があなたを好きです」

「……っ」

赤くなった頬を悟られないように、下を向いた。

「あ、なんか照れてます?」

「照れてなんていませんっ!」

下を向いたまま、強がる私に余裕の笑みを見せている。