「…あのっ…!とにかく消してください!今すぐにっ…!!」

「なんで?」

秒速で返ってきた、強い問い。

「いや…!恥ずかしいし!!」

「いや…!キレイだし!!」


「…どこが!!!」

思わず出た、私の大声に、

「…あのー、すみません。本当にすみません。オレ、フリーのカメラマンなんですけど、ふらふら散歩してたら、予期せずにあなたを見つけて。いちごサンドの赤とあなたのくちびるの赤があまりにキレイ過ぎて。思わずシャッターを切ってしまいました。」

「……。」