No rain,No rainbow

「離婚届を出したばかりで、しかもあんなことがあったばかりだけど、あなたのその傷だらけの顔を見てたら、我慢できませんでした」

1度、視線を下げた律さんは、その後、まっすぐに私を見つめた。

「あなたに何かがあった時に、あなたが不条理なことに晒されているときに、堂々と守れる立場が欲しいんです」

出来たら、「恋人」と、して。   

「…あ、の…」

「あ…!ちょ…ちょっと、待って、待ってください」

両手を胸の前で広げた律さん。

ひとつ、深呼吸をして、

「どうぞ」

私に促した。