10分程で、戻ってきた律さんは、

「はい、どうぞ」

缶のミルクティーを差し出してくれた。

「本当は、1杯いきたいとこだけど、さすがにここじゃ、ね」

いたずらっぽく、笑った。

「そうですね」

私も、一緒になって笑った。

話しかけようと、律さんの目を見つめたとき、

「…あれ…なんか律さん、目が赤いみたい…」

言った私に、一瞬、驚いた顔をした律さん。

すぐに笑顔になって、

「さっき、目にゴミが入ったせいです。きっと」

そう言って、また、笑った。