ううん…

違う。

律さんが教えてくれたこと。

私が本当にやりたいことを選択できるように、今、するべきこと。

どうして今まで気が付かなかったんだろう?

選択肢はたくさんあって、本当はいくつも頭に浮かんでいたけれど、ひとつも、ただのひとつも実行に移せなかったのは、他の誰でもない、自分自身のせい。

今、私がするべきこと…

足元に転がっている白いスマートフォン。

まっさらになった私の、スマートフォン。

ダイヤルを押して、ひとつ、喋りだすために息を吸い込んだ。