「しっかし、あなたは綺麗、ですねぇ」

律さんに手を引かれて、歩く。

振り返りながら、そんな風に言ってくれる。

「律さんのタキシード姿も反則です」

「いつもTシャツにジーンズだからね。見慣れないでしょう?」

かっこよすぎて、びっくりしました。

胸に手を当てながら言う私を、

大げさだなぁ。

余裕で笑ってみせた。

片手にはすでにカメラが握られている。

ライトが白く光るスタジオ。

ドアを閉めたら、ふたりきり。

「律さん」

「はい」

「律さんといっしょにシアワセになります」

「うん。シアワセになりましょう。いっしょに」