扉が開いたら、白い光が溢れんばかりの空間の真ん中に、静かに佇む律さんのうしろ姿があった。

初めて見る、タキシード姿の背中が新鮮で格好いい。

一歩一歩。

足先に触れている白いドレスを踏まないように、ゆっくりと歩を進める。

手を伸ばせば、律さんに触れそうな距離で私も律さんに背中を向ける。

「律さん、いいですか?」

「いつでも、大丈夫です」

律さんの返事を聞いて、ひとつ、深呼吸。

『せーの』

揃った声で、同時に振り返る。

目の前の、律さん。

いちど、ゆっくり瞬きをした。

「…なんて、綺麗な…」

拳を口元に当てる仕草が愛おしい。

律さんと、私のファーストミート。