「…律、さん」

ひとこと、呼びかけた私に。

「もう、怖いことはひとつもないから。あなたが、明日からもいっしょにいてくれると思ったら、心強くて」

見つめ合う。

世界の片隅で。

きっと今、この瞬間。

律さんと私みたいなたくさんの恋人たちが、抱きしめ合って、愛を確認しているんだろう。

そのことに勇気をもらう、23時。

哀しいことだけの23時はもう、ない。

明日からもいっしょに。

それが何より嬉しい、はじまりの23時。