そうして、描くだけ描いたら満足して、そのままになっていたいたずら書き。

すっかり忘れていたそれは、今、律さんの手の中にある。

「これは?」

私が描いた、ネコを指さす律さん。

「え?わかりません?どっからどう見ても…」

「あー、犬?」

「はっ?!これのどこが犬なんですかっ?!ネコですネコ!!」

「…おぅ。ずいぶんと個性的なネコ、ですね…」

って、言葉を失うな、言葉をッ!!

「じゃあ…こっちは…」

私の顔を覗き込む、律さん。

「ダルメシアン…?」

「パ・ン・ダです!!」

「…ほほぅ…、」

ずいぶんと可愛らしいパンダ、です、ね?

ビミョーに、気を遣われている空気をどうにかしてください…