No rain,No rainbow

仕事のクライアントが近くに来ていて、挨拶だけしておきたいってことなので…、

申し訳なさそうな律さんの顔が、可愛らしい。

ほんの30分で済ませて、光の速さで帰ってくるんで。

急ぐジェスチャーがまた可笑しくて、「大丈夫なんで行ってきてください」

笑いながら、律さんを送り出した。

手持ちぶたさになって、サイドテーブルに備え付けられているペンとメモ用紙を手に取った。

くるくると意味のないイタズラ書き。

うさぎ、くま、ねこ、イルカ、犬。

パンダ、は…、目の周りが黒くて、耳はどうだったっけ?黒かったっけ?

りんご、雨、虹、律さん。

思いついたまま、白い紙にいたずら書き。