No rain,No rainbow

「あ、ひとりで、笑うなんてズルい」

何がおかしいの?教えて?

私を覗き込む、律さん。

「…もう、末期、なんです。好きすぎて」

「んー?そんなに好きなの?誰が?」

わかっているくせに。

ちいさくつぶやいた声は、

「ん?誰が?」

重ねられた質問に消される。

「誰が?」

「…り、つ…さ…」

途中で言葉が続かなくなったのは、横から私を覗き込んだ律さんが、私にくちづけたから。

永いくちづけのあと、そっとくちびるを離した律さんは、

「オレなんて、末期どころか可愛すぎるあなたのおかげで、つねに死にそうですよ?」