No rain,No rainbow

綺麗なグラデーションが作れた指先。

爪の奥側から爪先にいくにつれて、濃いピンクになるように塗った。

しげしげと、そんな私の爪をまだ、眺めている律さん。

「これ、どうやって塗ったの?」

こんなに綺麗なネイルは、はじめて見た。

お世辞が混ざっていたって、嬉しい律さんの言葉。

「ただ、少しずつ場所をずらして塗っただけです」

それだけでこんなに綺麗に塗れるの?

綺麗なものは、小細工はいらないんだねぇ。

あなたみたいに。

なんにもしてなくたって、こんなに綺麗なんだから。

あの、いちごサンドの日からずっと。

オレはあなたに、見惚れ続けています。

真っ直ぐな告白は、真っ直ぐに届く。