「…わぁ、この色、綺麗」 

私が取り上げた小瓶を、目の前にかざしてみせた律さん。

「確かに。でもちょっと薄くない?」

「大丈夫です。塗り方にコツがあるんです」
 
微笑みながら、律さんから小瓶を受け取った。

キラキラと光を放っているラインストーンと、貼るだけでさまになる、可愛らしいシールもふたりで選んだ。
 
「楽しみ、だねぇ」
 
優しく微笑む律さんに。

「はい。とっても」

返して、手をつなぎながら歩く帰り道。

今、私の頬も律さんの頬も。

夕陽のオレンジ色に染まっているはず。

おそろいの、オレンジ色。