「死ぬときは、もちろん、あなたを抱きしめます」

…だから…、

言葉を続けた律さん。

「これから先、何があっても、いつもいっしょにいましょう」

絶対に、離しませんから。

左耳から、全身に回る律さんの甘い声。

この声が、優しい腕が、ずっとずっと私を抱き締めてくれる。

その確実な約束は、私を生かしてくれる。

「…詩さん」

呼ばれて、ゆっくり顔をあげたら、律さんの優しい目に見つめられた。

「いつも、オレを見てて…」

何度も交わされる約束は、何度だって嬉しい。

不安になる暇さえないほどの、言葉や仕草は深い愛をもたらしてくれる。

そうして、安心や想いを痛いくらいに伝えてくれてる律さん。

その想いに、ずっとずっと応えてゆこう。