No rain,No rainbow

「…それは、あなたが先に死ぬ前提なの?」

問いかけた、律さん。

「あ、だって。死ぬときは、律さんに抱きしめていてほしいから」

…あ、ダメ、でした…?

仰ぎ見た、律さんは。

「…まったく、あなたってひとは…」

どうしてそういうことを、その角度でさらっと言うかな…

頭を抱えてしまった。

「…あ、でも、律さんにはいつも、律さんの前では、素直でいようって、決めたので」

やっと出逢えたひとだから、大切にして、後悔のないようにしよう、って。